« 食品汚染大国 中国現状をリポート  | トップページ | 調和社会は「歴史的任務」? 中国の社会矛盾 »

2007年10月14日 (日)

ベールに包まれた北朝鮮のテレビアナウンサー

Photo_3

※ 画像はイメージです。記事の内容とは関係ありません。

ベールに包まれた北朝鮮のテレビアナウンサー(上)

 金日成(キム・イルソン)主席の死亡や南北首脳会談などが行われた時に改めて注目されるのが、北朝鮮中央テレビのアナウンサーたちだ。北朝鮮ではアナウンサーを「放送員」や「報道員」と呼ぶ。視聴者を驚かせるほどの強い語調と雄弁大会での演説のような声でニュースを伝える北朝鮮のアナウンサーたちは何者であり、どのようにしてアナウンサーに選ばれるのだろうか。

 今回の南北首脳会談でメインキャスターを務めた北朝鮮の女性アナウンサーは、30年の経歴を持つ「人民放送員」のリ・チュンヒとその後を継ぐリュ・ジョンオクだった。男性アナウンサーは、昨年9月に死亡したチョン・ヒョンギュの後を継ぐ次世代の男性メインキャスターとして注目を集めるチャ・スイルだ。

 チョン・ヒョンギュアナは北朝鮮最高のアナウンサーだったイ・サンビョク(1997年死亡)の後を継ぐアナウンサーだったが、94年に金日成主席が死亡した当時、放送中に涙を流さなかったことが問題となり、放送活動を中断させられた。

 しかし実力が認められ、結局「人民放送員」の称号と北朝鮮最高勲章の「努力英雄」メダルが授与された。金正日(キム・ジョンイル)総書記は彼の葬式に花環を送った。

 北朝鮮中央放送で勤務していた脱北者のチャン・ヘソン氏は、「チャ・スイルアナは演劇映画大学テレビジョン放送学部を卒業し、外見と実力、出身成分において完璧な点数を受け、順調に昇進を続けた」と語った。

 また、チャン氏によると、北朝鮮でアナウンサーになるにはまず出身成分において最高の点数を受けなければならず、発音の正確さや速度感、教養など3つの基本原則を基に、状況によって抑揚や言葉尻を自由自在に操れる能力が必要だという。

 米国や韓国に対する否定的な報道を行うときには激昂して怒りに満ちた語調で、金日成主席や金正日総書記についての報道では荘厳で尊敬心に満ちた声に変えなければならない。

 在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の機関紙、朝鮮新報が発行する月刊誌『祖国』1月号では、テレビアナウンサーの養成機関である平壌演劇映画大学テレビジョン放送学部を紹介している。同誌によるとこの大学は、73年から放送話術について教育を開始し、数百人の卒業生を輩出したという。教授5人が50人以上の学生を指導している。

 大学ではアナウンサーの重要性を認識し、選抜から募集に至るまで厳格な手続きを定めており、話術や外見、発音など1次テストをパスして初めて本試験に臨む機会が与えられ、メインキャスターとして登場するには金正日総書記の批准が必要だという。

姜哲煥(カン・チョルファン)記者

韓国・朝鮮日報/朝鮮日報JNS

http://www.chosunonline.com/article/20071014000004

 

ベールに包まれた北朝鮮のテレビアナウンサー(下)

 このように厳格な条件をクリアしたアナウンサーであることから、彼らに対する北朝鮮当局の待遇も格別だ。

 アナウンサーたちは、平壌の美容施設チャングァンウォンで優先的にヘアスタイルを整えることができる特権が与えられる。もちろん、チャングァンウォン内のサウナや食堂も利用可能だ。

 北朝鮮のアナウンサーたちは北朝鮮のファッションリーダーでもある。平壌被服研究所で製造されたさまざまな衣装は、アナウンサーが最初に着用する。放送院にはこれらの衣服が無償で提供されるかほとんどタダ同然の価格で販売される。

 2000年の南北首脳会談以降、北朝鮮のアナウンサーは固定された固いイメージから脱皮し、さまざまなヘアスタイルとファッションで北朝鮮の視聴者たちの前に姿を現してきた。

 女性メインキャスターたちのヘアスタイルは北朝鮮最高の美容師たちが集まったチャングァンウォンの美容師たちがセットするため、北朝鮮女性があこがれるモデルのような存在ともなっている。アナウンサーたちが着用する韓服や衣装は全国で流行する。

 最高の待遇を受け、高い地位を保つことができるアナウンサーたちだが、彼らもやはり常に薄氷の上を歩いている。1回の失言で政治的生命が左右されることがあるからだ。

 96年7月25日、北朝鮮のあるアナウンサーが金日成主席の死亡を金正日総書記の死亡と誤って読み上げた。その後そのアナウンサーの声を再び聞くことはなった。

 そのため政治的に敏感な放送を行う時には、最高に緊張せざるを得ない。外部の世界からすれば、アナウンサーたちは金正日総書記の口としての役割を果たしているため、その発言や行動に細心の注意を払わなければならないというわけだ。

 放送員たちに対する金正日総書記の特別な関心を示すエピソードがある。ある高官出身の脱北者は90年代末、北朝鮮で最悪の飢饉が襲った当時、アナウンサーたちも食料の配給が途切れて食事の心配をしなければならなくなったという。

 しかしこの事件以来、金正日総書記が「たとえ天変地異が起こっても、アナウンサーにだけはすべてを保証せよ」と特別指示を下し、放送員たちは生活の心配から解放された。

姜哲煥(カン・チョルファン)記者

韓国・朝鮮日報/朝鮮日報JNS

http://www.chosunonline.com/article/20071014000005

 

 韓国・朝鮮日報の名物記者・姜哲煥(カン・チョルファン)記者の記事です。

 北朝鮮と言う社会の中ではアナウンサーと言うのはかなり特別な職業のようです。

 金日成主席の死亡を金正日総書記の死亡と誤って読み上げたアナウンサーのその後が気になりますが、厚遇されている分その程度はしょうがないのかもしれません。

 

 

|

« 食品汚染大国 中国現状をリポート  | トップページ | 調和社会は「歴史的任務」? 中国の社会矛盾 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/340260/8412578

この記事へのトラックバック一覧です: ベールに包まれた北朝鮮のテレビアナウンサー:

« 食品汚染大国 中国現状をリポート  | トップページ | 調和社会は「歴史的任務」? 中国の社会矛盾 »